「温泉」あっての「地獄谷」なのですね
週末に親孝行をかねて、母と姉と、北海道は登別温泉をおとずれました。
登別。文句なく至高の温泉郷のひとつだな~!と感銘をうけました。
深い樹林をわけいる街道には、歴史ある旅館が立ち並び、奥まですすむと源泉の臭いと湯けむりが立ちこめる地獄谷が大きく広がる。
でも、温泉郷として決して大きすぎず、「広めの徒歩圏」とでもいうか、絶妙なサイズに収まっている。
宿をいただいた「登別グランドホテル」は、皇室もお泊りになる由緒があり、お湯も「食塩泉」・「硫黄泉」・「鉄泉」の3種がふんだんに溢れ、ただ、出っぱなしではなく、温度も品質も非の打ちどころがない管理が行き届いている。
なにか、提供する側の経験値と誇りが、湯船にゆられながら、全身にしみわたりました。
でも、そうしたことにあぐらをかくことなく、最近導入してサウナシュラン2023(サウナのミシュラン)を受賞した「鬼サウナ」を、キャップをかぶった若者たちが楽しんでいました。「伝統」と「挑戦」がちゃんとされている。
「鬼」といえば、地獄谷があることからか、「鬼(おに)さん」がながく温泉郷のアイコンとして活躍しているようです、そこも、サウナと同じく、さすが開拓精神の北海道、アイコンは古臭くなることもなく、時代に合わせた「愛されキャラ」として、愛らしく可愛らしく変化して生きているように見えました。
とかく古びてしまう温泉商店街も同じく、若い世代の発想で、店舗やサービスのアンチエイジングや国際化がきちんとされていて、東欧系と思しきカップルが窓際でカフェを楽しんでいる様子はとても素敵だなと思いました。
そんなリピート必至の登別温泉で、お気いりとなった「鉄泉」につかりながら、管理職研修のコンテンツが、ぼや~っと頭をめぐります。きっと一種のフロー体験なのです。
「ほめる」と「しかる」
「あめ」と「むち」
「ストレッチ」と「コンフォート」
ものごとにも、かならず2極のバランスがありますね。
~ 日々のねぎらいの関係があるから、厳しい助言にも感謝できる
~ 受けとめる上司のフトコロがあるから、むずかしい業務にも挑戦できる
~ しっかりとした一律管理・論理ができてこそ、個別・感情への伴走が効いてくる
あぁ、要は、「温泉」あっての「地獄谷」なのか
もし、地獄谷だけあっても、鬼だけいても、さして人は寄り付かない。
暖かく癒される温泉宿があってこそなんだな~。
ときに地獄谷に手をひく鬼(もちろん時代にあった)のようであり、ときに疲れをいやす温泉のようである上司。アンチエイジングや国際化がすすむ温泉郷のような会社。
そういうバランスが取れた組織で、人は成長していくのだな~。